<肝移植の費用は?>
2004年1月より保険適応が拡大され小児のほぼ全疾患と一部の肝がんをのぞく成人疾患のほとんどが保険診療となっています。肝がんでは「大きさ3cmまでのものなら3ヶまで、5cmまでのものならば1ヶのみ」が保険診療の適応となり、これを越えるものについては自費診療となっています。肝がんに対する前治療を受けている場合には、治療を終了した日から3月以上経過後の移植前1月以内の術前画像を基に大きさ、個数を判定し保険適応の有無を決定します。
(ア)
保険の場合
ドナーの方の検査・手術・入院費用はレシピエントの保険に組込まれます。したがってドナーの方の負担は発生しないのが原則です。
保険診療3割負担として約200〜400万円前後の費用がかかりますが、これは入院期間の延長などでかなり前後します。月8万円を超える医療費については高額医療費制度があり後に還付されます。退院後も免疫抑制剤などの薬剤費で約3〜5万円の実費が発生します。
(イ)
自費の場合
保険が適用されない場合、700万〜1,200万円程度の実費が必要となります。合併症などで入院期間が長引けば2,000万円を越える場合もありえます。
(ウ)
ドナーの費用は個人的な医療保険の保障対象となるの?
現在のところ、医療保険でドナー手術をカバーしているものはないので給付をうけることはできないと思われます。保険会社に相談してみましょう。
劇症肝炎・原発性胆汁性肝硬変などの特定疾患の場合医療費が免除されるので手続きをしてください。
B型肝炎の場合、再発の予防に高額なB型肝炎ウイルス免疫グロブリンの定期的な注射が必要になります。この費用に関しては最近保険適応が認められました。
C型肝炎の再発予防のために、患者さんの多くは術後にインターフェロンの注射を必要とします。この費用に関しては治療医療費助成制度ができています。
外来・手術・入院費用やその他のことはソーシャルワーカー(地域医療連携室/内線9107)にご相談ください。