<生体肝移植の手術方法>

図7のような切開創で開腹します。メルセデスベンツのマークに似ていることからメルセデスベンツ切開ともいわれます。ドナーの方もほぼ同様の切開創で開腹します。

fig08


fig09

図8のように肝臓は解剖学的に左葉と右葉に分けられます。したがって肝臓を提供する場合、必然的に左葉あるいは右葉のどちらかを提供することになります。肝臓の大きさは体格に比例しますが、全肝に対する割合は左葉30-40%、右葉60-70%程度で、重さは通常左葉300-500g、右葉400-700g程度です。左葉は右葉に比べ小さく、レシピエントの体格によっては右葉が必要な場合もあります。小児の場合さらに小さい外側区域(全肝の20%程度)といわれる部分を用います。レシピエントの病的な肝臓は全部摘出します。そこへドナーの方よりいただいた左葉あるいは右葉を移植します(図10)。通常、血管を3カ所、胆管を1カ所吻合します。

fig10